濃厚で熟成した日本酒の徹底解説

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みなさん、こんにちは!

今回は日本酒の中でも、熟成酒にフォーカスをしてご紹介していきます。

 

皆さん、こんにちは!

「美味しい」と思える日本酒の味を分解してみよう。

これまで代表的な3つのタイプをご紹介しましたが、いよいよ最後になります。

前回は「旨味」の乗った日本酒について。

我が家に常に一本置いておけば間違いないタイプのお酒でした。

最後は、熟成酒。

賞味期限は大丈夫なの?なんでこんな色をしているの?

という質問をよくいただきますが、日本酒に賞味期限はありません。

お酒は年月を重ねるごとに香りや味わいが日々変化していきます。

そうして保管したものが熟成酒。

今回も

基本的な構成

  • 香りと味わい
  • 適切な温度帯
  • 食べ合わせ

[科学的/経験論]な根拠

  • なぜこのような香りになるのか
  • なぜこの味わいになるのか
  • なぜこの料理と合わせるのか
  • なぜこの温度で飲むと更に美味しいのか

上記の項目を取り上げながら「熟成酒」の美味しさを分解していきましょう!

【香り】甘くてとろん、カラメル系の香ばしさ

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貯蔵庫では、瓶貯蔵かタンク貯蔵を行います。

新酒の段階では果実の香りも含んでいたものでも、保管期間が長くなるごとにその香りは感じづらくなっていきます。

シロップのような甘い香りやカラメル、凝縮してくると醤油のような香りを感じることもあります。

この理由は熟成する際の「メイラード反応」に関わっています。

例えばすき焼きを行うとき、

「肉に含まれるうま味」と「砂糖」が反応することで、すき焼き地が次第に色濃くなり旨味が強くなっていきます。

これと同様の反応がお酒にも起きているのです。

還元糖とアミノ酸から複雑な反応が行われるため、詳細な経路についてはこちらの論文をご参照ください。

【味わい】ぎゅーっと旨味が詰まった濃醇酒

熟成酒にも3年モノや20年モノがあり、熟成年数や保管温度によって色や香り・味わいが大きく変わります。

色の付き方はお酒に含まれる「糖分」と「アミノ酸」の量が多いほどメイラード反応が進みやすいので、甘くて濃醇なお酒は色が付きやすい傾向にあります。

また、熟成年数が長く、保管温度が高いほど熟成スピードが速くなります。

一方で氷温貯蔵で10年熟成では色のつき方が茶色でも違和感は無いのですが、オレンジ色に近づいているはずです。

熟成が進むほどアミノ酸度が増し、苦味が多くなります。

アミノ酸は「甘味・旨味・苦味」を呈し、熟成して色がつくと香りだけでなく苦味も感じやすくなります。

そのため、濃醇ではっきりとした味わいに感じることが出来るでしょう。

これまで紹介してきた味わいとは次元が異なりますよ!

【温度帯】冷酒は厳禁!?常温以上で飲みましょう

冷酒では甘味や香りが閉じたままで素性の良さを出し切れていません。

最低でも常温以上で飲むことをオススメします。

ぬる燗・熱燗にする際は電子レンジではなく必ず湯煎で温めてくださいね!

【食べ合わせ】ベストなのはお酒だけで楽しむこと

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埼玉県は神亀酒造のひこ孫。熟成させてから出すことが多い蔵元さんです。

お酒が濃醇であることが多いので食事もしっかりとしたものを合わせる必要があります。

とは言っても熟成酒の素晴らしさを直に感じることが出来るのは、オツマミなしです。

香り・味わい共に深く奥行きがあり、体に染み渡っていく感覚があります。

食事に合わせていくなら前菜よりもメインディッシュ、深い味わいを感じれて甘味を感じづらいものが良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

全4回に渡って「美味しい」日本酒の味を分解してきました。

好きなタイプのお酒の楽しみ方は広がりそうでしょうか?

何か1つでも新しい発見があれば嬉しいです。

熟成酒を簡単にまとめると、

  • 色が濃い
  • 香りはカラメルなどを感じることができる
  • 甘味・旨味・酸味・苦味など、味の主張が強い
  • 味が濃いものと合いやすい

次回からは、もう一歩踏み込んで日本酒のことを分解していきます。

第二章で味を分解したり、オススメの温度帯なども含めて紹介しましたが、

「食事と一緒に楽しむ日本酒」という醍醐味を意識すれば、今まで以上に素晴らしい体験をすることができます。次回も必見です!

詳しくはまた次回お話しましょう!

「楽しい日本酒講座・全12回」の目次

あなたの常識をぶった切る、日本酒の本当のはなし。

  1. 日本酒の原料について徹底解説
  2. 脱「新潟の美味しい辛口のお酒ください」のススメ
  3. 「日本酒なら大吟醸!おいしいよね。」そんなあなた、損してます。
  4. 安くて美味しい本醸造、教えます。

    「美味しい」と感じる、日本酒の味を分解してみよう。

  5. フルーティな日本酒を徹底解説
  6. 軽快な日本酒を徹底解説
  7. 米の旨味がはっきりしている日本酒を徹底解説
  8. 濃厚で熟成した日本酒の徹底解説(←イマココ) 

    ようこそ、日本酒のディープな世界へ!初心者卒業までの最後の一歩。

  9. 日本酒のマリアージュの世界へようこそ!
  10. 「山田錦」の味わいや特徴について徹底解説!
  11. 新潟「淡麗辛口」の日本酒とは。知ると日本酒がたのしくなる!
  12. 日本酒歴長い人も実は分かってない。酵母や麹の本当のはなし。
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