日本酒のアルコールについて徹底解説!度数は?どうして高い?

日本酒のアルコールについて徹底解説!度数は?どうして高い?|saketaku

 

 

日本酒のアルコール度数

 

日本酒は一般的にアルコール度数が高いと言われていますが、アルコール度数とはそもそも何なのかをご存知ですか。アルコール度数とはお酒に含まれているアルコール濃度のことです。

 

日本の酒税法では摂氏15度におけるエタノールの容積濃度を指すものとして定義されています。もし100mlのお酒に15mlのエタノールが含まれていれば、アルコール度数は15度になります。

 

容積濃度を基準として考えているのであればこの場合には15%のアルコール濃度になり、「度」と「%」は同じ意味です。

 

しかし、%には重量パーセントといった考え方もあり、100gのお酒に含まれているエタノールのグラム数という表現になる可能性もあります。その場合にはエタノールや日本酒の比重が影響してしまうので「度」と「%」は一致しません。

 

1点例外をお伝えするのでしたら、ラベル表示です。この場合は15度と15%は異なります。15度の場合は15.1%〜15.9%までがラベルに表示しても良い許容範囲となります。15度とラベルに書いてあっても、ほぼ16%の日本酒も存在するんです。これは日本酒を製造する上では味わいのバランスが大切なので、15.9%で仕上げた日本酒を15.1%まで水を加えると味が整わなくなる場合があるからです。ラベルの数字を気にしすぎないことがポイントです。


とは言え、このようにして定義される日本酒のアルコール度数は一般的には15度です。ただし、法律で15度と決められているわけではないので、アルコール度数が高いものでは20度くらいあります。

 

低いものの場合には7度~8度程度のものもあり、スパークリング日本酒ではこのような低アルコールのものが人気になっています。

 

ただ、一般的には15度~17度くらいに仕上げられて販売されていて、原酒の状態でも17度~20度です。これ以上になると発酵が進みにくくなるのでほぼ限界になってしまっています。

 

日本酒でアルコール消毒?

 

アルコール度数が高いお酒だから日本酒を使ったらアルコール消毒ができるのではないかと考える人もいるでしょう。確かにビールやワインなどに比べるとアルコール度数が高いですが、一般的な日本酒ではアルコールで消毒をすることはできません。

 

アルコールで様々な細菌を殺すためには体積で70%~80%のアルコール濃度が最適とされています。このようなほとんどアルコールという状態であればほんのわずかな時間で多くの種類の細菌などを殺すことができるという研究結果が示されているのです。

 

50%くらいであっても細菌を死滅させることができますが、原酒でもせいぜいアルコール度数は20度です。このくらいでも簡単に死滅する細菌もいるものの、消毒できると言えるほどの効果はありません。


しかし、アルコール消毒用の日本酒が販売されているではないかと言う人もいるでしょう。厳密に言えばそれは日本酒ではなく、日本酒を醸造している酒蔵さんが作ったアルコールを指します。消毒用のアルコールが足りなくなって全国的に不足してしまったときに、酒蔵さんでアルコール発酵を行ってアルコールを製造する動きが強まりました。

 

その結果としてよく知られている酒蔵さんが消毒用のアルコールを販売している状況が生まれたのです。このような消毒用のアルコールは飲むことはできないので、日本酒だと思って間違えて飲んでしまわないように気を付けましょう。

 

日本酒のアルコールを飛ばすと?

 

日本酒のアルコールを飛ばすことができるのはご存知でしょうか。日本酒のおよそ95%程度は水とアルコールからできています。沸点を考えるとアルコールの方が30度以上低く、揮発性についてもアルコールの方が高いのが特徴です。そのため、日本酒からアルコールを飛ばして低アルコールあるいはアルコールが含まれていない状態に近づけることができます。


日本酒はアルコール度数が高すぎるけれどおいしいからアルコールを飛ばして飲みたいという方も、もしかしたらいるかもしれません。

 

saketakuとしては味わいが全く変わってしまうためオススメはできませんが、どうしても行いたい場合には加熱をしてアルコールを飛ばしてから飲むのが良いかもしれません。アルコールを飛ばすときには燗をするのと同じ考え方で、徳利などに入れた日本酒を沸騰しているお湯につけて温めましょう。30度少々が最も日本酒が劣化しやすいので、すぐにその温度を超えてしまうように熱湯を使うのが品質を落とさないコツです。


完全にアルコールを飛ばそうとすると時間もかかり、飲むには劣化してしまうのは確かです。ただ、日本酒にはアミノ酸などの旨味成分も含まれているので料理に使うこともできます。

 

日本酒をフライパンに出して煮切ってしまえば料理に使いやすいでしょう。たれや出汁などを作るときの水の代わりに煮切った日本酒を使うと風味も旨味も豊かになります。

 

加熱する料理なら日本酒をそのまま使っても良いですが、加熱しない場合には煮切ってから使うようにしましょう。

 

これらは最終手段の方法なので、基本的にはペアリングを工夫してみてくださいね。

 

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日本酒のアルコール添加

 

日本酒はアルコール添加をしているからアルコール度数が高いということもよく言われています。醸造アルコールを添加したことによってアルコール度数が上がることもあります。

 

純米酒や純米大吟醸酒などの純米と冠されている日本酒以外は基本的には醸造アルコールが添加されています。

 

ただ、醸造アルコールを使うのはアルコール度数を上げるのが目的ではありません。アルコール添加によって、アルコール無添加ではできない美味しい日本酒を作るのが目的です。醸造アルコールがどのような働きをするのかを理解しておきましょう。


醸造アルコールは米と米麹と水を混ぜて発酵を進めていき、搾る直前の段階で加えられます。

 

このタイミングで醸造アルコールを添加するともろみの中に含まれているアルコールに溶けやすい成分がたくさん抽出されてきて、新たな味わいや風味を加えることになるのです。

 

特にフルーティーな香りは引き出されやすく、香り豊かな日本酒に仕上がります。また、醸造アルコールはあくまでアルコールと水を入れるためにお酒の味の幅は薄まり、きりっと引き締める効果があるのも特徴です。

 

どのくらいの醸造アルコールを添加するのかも日本酒によって全く違うので、日本酒の多様性を生み出す重要な役割を果たしています。

 

日本酒のアルコール度数が高い理由とは?

 

日本酒のアルコール度数が高い理由は日本酒を造る特性を持った酵母による発酵が大きな理由です。酵母はアルコール20度までギリギリ耐えながら発酵を続けることでアルコールを作る力を持っています。

 

しかし、アルコールの原料になるブドウ糖がなくなるとアルコールを作ることができません。

  

日本酒の場合は麹がお米に含まれるデンプンを分解し、酵母が発酵させるのでアルコール発酵が続きやすいのです。


麹の役割は米に含まれているデンプンを分解することによってブドウ糖を作ること。そのため、米と麹と酵母を混ぜると麹が米を分解してブドウ糖を作り、そのブドウ糖を酵母が使ってアルコールを作るという流れができます。

 

このようにして二人の主人公を同時に走らせて醸造する技術を使っていることから日本酒はワインに比べるとアルコール度数が高くなるのです。

 

また、このような技術で酵母を使用してきた影響で酵母自身もアルコールへの耐性が高くなることがあります。しかしそういった突然変異を起こした株は稀なので、突然変異した株を培養することで高濃度アルコール耐性を持った酵母も存在しています。

 

まとめ

今回は、 日本酒のアルコールについて徹底解説!度数は?どうして高い?というテーマで、度数の違いなどに触れました。

 

ぜひもう一度飲みながら、読んでみてくださいね。

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