日本酒のあらばしりについて徹底解説!どんな味わい?飲める時期はいつ?

日本酒のあらばしりについて徹底解説!どんな味わい?飲める時期はいつ?|saketaku

日本酒の「あらばしり」っていったい何?

 

日本酒には本醸造酒や純米酒、大吟醸酒などの特定名称以外にも色々な分類の仕方があります。その一つとしてしばしば日本酒のラベルにも書いてあるのがあらばしりです。あらばしりの意味を正しく理解するためには発酵を終えたもろみがどのような手順を追って瓶に詰められているのかを知る必要があります。日本酒の製造の簡単な手順は、麹を作り米と水を混ぜて酒母に、酒母と麹と水を混ぜて発酵させ、もろみを作ります。そのもろみを搾ることによって固形分である酒粕と液体分である日本酒に分離し、瓶に詰められるというのが基本的な流れです。あらばしりと言える搾りの行程では、通常は大まかに三つの段階に分けています。


搾りで最初に出てきた日本酒のことをあらばしり、最後の部分を責めと言い、その間に当たる大半の部分を中取りと言います。このようにして分けているのはもろみを搾り始めた直後と中ほど、そして搾りの最後では日本酒の味に違いが生じることがわかっているからです。それらを全て混ぜることで均質にするという考え方も一つですが、あらばしり、中取り、責めを分けることによって、それぞれの美味しさを楽しむのも一興でしょう。特にあらばしりと責めは味わいや香りに荒々しさが残っていたり、複雑な味になることもありますが、中取りは味わいも香りもバランス感が良いのが特徴です。


三つに分けて搾っている場合の酒造りでは、搾ったときに最も量が多くて味が均一になっている中取りの品質を重視している場合がほとんどです。品質を向上させるためにあらばしりや責め多めにして、より中取りの精度を高めている酒蔵もあります。どこまでがあらばしりで、どこからが責めなのかは明確に定義されているわけではありません。中取りを多くの消費者に好き嫌いなく喜んで味わってもらえるような品質になるようにしたり、量を確保できるように杜氏や蔵人が味見をしながら決めているのです。そのため、タンクが違うと味わいが違うということもあり、タンク違いでの味の違いを楽しんでいる人も多くなってきています。
このようにあらばしりはタンクごとに必ず出るもので、量的には中取りに比べると少ないです。当初は商品として販売するものではなく、酒蔵の中で自家消費されている事例もありました。しかし、蔵開きや蔵祭りなどで一般消費者に供して喜ばれるというケースがあったり、酒屋から分けて欲しいと言われたりすることもしばしばありました。そのため、中取りだけでなくあらばしりや責めについても瓶に詰めて販売されるようになってきています。ただ、流通量が少ないので中取りに比べると手に入りにくく、あらばしりや責めを販売していない銘柄も多いので買いたくても見つけられないこともあるのが実態です。中には複数のタンクの責めの部分を集めた責めブレンドなども存在しているので、酒蔵ごとの特徴がより一層現れやすいのかも知れませんね。

 

日本酒のあらばしりが飲める時期はいつ?

 

日本酒のあらばしりは少量しかできない割に人気が高い影響もあって搾りの時期にしか手に入りにくいのが現状です。四季醸造をしている酒蔵であれば年間を通してあらばしりが手に入りますが、多くの酒蔵では秋の終わり頃から厳寒の冬を経て、春先まで搾っています。あらばしりはこの期間、ずっと出てくることになるのでおよそ11月をスタートとして4月くらいまでは飲める可能性があります。ただ、搾りのピークは2月~3月なので、この時期の流通量が最も多くなり、出会える機会がたくさんあるでしょう。


あらばしりを飲む方法は大きく分けると三つあります。

 

一つ目は酒屋で購入する方法で、酒蔵によっては自社できちんとあらばしりとしてラベルまで作って広く流通させています。それ以外にも酒屋が親しくしている酒造から特別に分けてもらっていたり、その酒屋限定で卸してくれたりしていることも少なくありません。

 

二つ目は居酒屋で探す方法で、やはり特定の酒造と親しくしている居酒屋ではこの時期限定であらばしりをメニューに入れていることがあります。メニューを読んでみたり、店員さんに聞いてみて、飲めるかどうか聞いてみましょう。

 

そして、三つ目は蔵の見学や蔵開き、蔵祭りなどで飲む方法です。量が少ないので広く流通させず、イベントのときにだけ供しているはたくさんあります。試飲会などでも限定酒として提供されていることもあるので足を運んでみましょう。

 

あらばしりという季語がある?

 

あらばしりは日本の季語の一つになっています。漢字で書くと「新走」または「新走り」で新しく勢いが良い様子が想像できるでしょう。これはもともと他の意味で使われていた季語ではなく、れっきとした日本酒由来の季語です。数々の季語が生まれてきた日本の古き時代では酒造りは一大事業として繁栄していました。日常的な文化の一つとして捉えられていたので、酒造りにまつわる季語もいくつもあります。

 

例えば新酒や今年酒、花見酒や月見酒などが知られていて、俳句でもよく詠まれています。ただ、季語のあらばしりは、ここで説明してきた搾りの初めの部分という意味ではありません。搾りの最初のあらばしりは漢字にすると「荒走り」になります。新走りは新米で醸した日本酒のことを指すのが特徴で、新酒と同義になっています。イメージとしては搾るときのあらばしりも新しい日本酒が勢いよく出てきている様子に重なるので、新走りでも良いのではないかと思うかもしれません。

 

しかし、新走りは季語になっていたので別の漢字を当てて荒走りになったと言われています。気性の荒い馬が飛び出していくかのように、搾りのときに真っ先に出てきた日本酒を指すという風にイメージすると季語との区別をしながらも、あらばしりの性質をうまく表現できていると考えられるでしょう。

 

日本酒のあらばしりの味わいについて

 

あらばしりの味わいは荒走りと書くことから想像すると荒々しい勇猛さや力強さがあるかと思うかもしれません。確かに中取りに比べると安定した落ち着きのある様子ではなく、若駒のような若々しさを彷彿させるようなものが多くなっています。どっしりと重いというよりは軽快で明るい雰囲気の仕上がりになるのが一般的です。特に中取りと比較すると香りが豊かで、味わいもやや強めで全体的に主張して来ます。

 

しかし、責めのように雑味のある複雑な味わいということはあまりないため、お酒が生きているかのような感覚を楽しみたいときにおすすめなのがあらばしりです。
あらばしりはもろみを搾り始めた段階で特にもろみに圧力をかけなくてもすぐに出てきた部分で、ろ過できなかった微細なもろみの粕も含まれています。このわずかな量のもろみが味わいに大きな影響を与えているという考え方があるので確認しておきましょう。

 

責めの場合には酵母をギュッと押しつぶしたことにより、酵母内の液が出てくるので苦味などを含んだ複雑な味わいになりますが、あらばしりは酒粕が含まれているのもあり米のふくよかさもあります。 

まとめ

今回は、日本酒のあらばしりについて徹底解説!どんな味わい?飲める時期はいつ?というテーマで、味わいや季語、飲める時期などに触れました。

 

ぜひ一度あらばしりの日本酒を飲みながら、再度読んでみてくださいね。

炭酸があるのも特徴ですよ〜!

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