きき酒師について徹底解説!どうやったらなれるの?

きき酒師について徹底解説!|saketaku

 

きき酒師って何?

 

きき酒師は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会が1991年に制定した資格試験のことです。日本酒の製造方法や原料・歴史・ラベルなど、日本酒にまつわる知識を正しく身につけてテイスティングを行い、飲食店のサービスへつなげることを目的として制定されました。

 

そのため、きき酒師は日本酒を飲んでその銘柄を当てるのではなく、ワインのソムリエのようにお客様の要望に応じて料理や季節に合う日本酒を提案・提供することが求められると思います。


似たような資格に国際唎酒師がありますが、試験内容は日本酒の知識やテイスティングを外国語で説明することです。国際唎酒師は日本酒が国内外で人気が高まり需要が増加している世情を反映し、外国でも正しい日本酒の知識を伝えるために制定されました。

 

この資格を取得することで、日本人だけでなく外国人に対しても料理や季節に合わせた日本酒を提案することができます。講座は英語または中国語で受講しますが、資格試験は英語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語の5ヶ国語から選択して受験することが可能です。


受験できる語学の幅広さから、アメリカやイギリス、中国だけでなくシンガポールやブラジル、フランスなど世界各地に受験者がいます。きき酒師と国際唎酒師の資格取得は人気があり、きき酒師は約1万2千人、国際唎酒師も400人以上がこの資格を取得し、さらに増加傾向にあります。和食のブームとともに、きき酒師の資格も人気になっているんですね。

 

きき酒師になるには?

 

きき酒師になるためには日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会が開催している養成講座を受講する必要があります。養成講座には在宅受講・通学受講・会場受講と複数のコースがあり、自分のライフスタイルに合わせたやり方で受講することが可能です。

 

養成講座終了後に認定試験を行い、それに合格することできき酒師の資格を取得することができます。試験内容は筆記と実技に分かれ、実技試験では日本酒のテイスティングも含まれています。先に述べた養成講座は全6回の通信講座もあり、通信講座が修了すると無試験できき酒師の資格を取得できます。


国際唎酒師も日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会が開催している受験コースと通信コースのいずれかを選択する必要があります。受験コースは東京や大阪などの受験会場で試験を受けるコースで、通信コースは英語と中国語のいずれかで通信講座を受講するコースです。通信コースは最短3ヶ月で資格取得ができるため、早めに国際唎酒師の資格を取りたい人に適しています。通信コースでは初回に3ヶ月分の問題と回答用紙がまとめて送られ、一ヶ月ごとにpdf化した回答用紙を日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会にメールで送り、添削後に合否判定される仕組みになっています。通信コースの問題は難易度があまり高くないために不合格になることは少ないですが、万が一不合格でもフォローがあるようなので問題ありません。

 

きき酒師になるのは難しい?

 

きき酒師と国際唎酒師は日本酒の正しい知識を身につける資格試験ですので、講座を受講しているテキストを読み込む必要があります。きき酒師の合格率は約80パーセントとそれほど低くはありません。国際唎酒師の合格率は受験する国によって異なり、アメリカで75パーセント、シンガポールで62パーセント、中国では100パーセントとそれぞればらつきがあるようです。日本人が国際唎酒師を取得する場合も、英語や中国語でテキストを読む必要がありますので少しずつ時間をかけて読み込むようにしましょう。


国際唎酒師を目指す人は、特に試験対策として講座を受講する時に購入するテキスト「Master of Sake」を2回以上読んでおくことがおすすめです。講座のテキストには日本酒やそれを取り巻く文化や歴史について記載されていますので、それを理解しておくのが良いのでは無いでしょうか。

 

きき酒師と国際唎酒師の資格取得は、地道に勉強していた場合は難関ではないと言えるでしょう。試験にはテイスティングの実技試験もありますので、むしろ普段から日本酒に親しみ食事などと一緒に楽しむのが合格への近道かもしれませんね。


お店や自宅で日本酒を飲む場合も、一つの銘柄や種類にこだわらず、色々な日本酒を楽しんでみましょう。季節や料理別にどんな日本酒がおいしいのかを意識しながら飲むことで、きき酒のスキルにつながり、講座や試験勉強にも熱が入るようになります。

 

きき酒師の年会費について

 

きき酒師の年会費は受講するコースによって異なります。在宅コースと1日通学コースは受講料が58,800円ですが、夜間通学コースは63,800円になります。これらはそれぞれ認定料・年会費・初年度年会費が加算され、在宅コースと1日通学コースの合計が118,700円、夜間通学コースが123,700円です。これ以外にも3ヶ月の通信プログラムと2日間の短期集中プログラムがあり、3ヶ月の通信プログラムの合計が138.300円、2日間の短期集中プログラムが139,100円となっています。このようにきき酒師になるためには受講料以外にも費用が発生しますが、年会費は任意で支払いをする形でも問題ないようです。


また年会費を支払わなくても資格がはく奪されるわけではありません。もちろん年会費の支払いを継続していた方が日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会から正式にきき酒師として認められた状態を維持できます。国際唎酒師はきき酒師よりも費用が安く、コースによっても異なりますが30,000円から50,000円程度になります。

 

きき酒師の前に力試しをしたい人や国際的な視野に立って日本酒を紹介したい人などは、きき酒師の資格を取る前に国際唎酒師の資格からチャレンジする人も多いようです。

 

きき酒師の試験問題

 

きき酒師の試験は第1次から第4次まで細かく分かれています。第1次試験と第2次試験、第4次試は筆記試験、第3次試験は実技試験となっています。第1次試験では制限時間が40分で、酒類だけでなく飲食全般への基礎知識が問われる内容となっています。第2次試験は日本酒に関する知識を問う内容で制限時間は75分です。第3次試験の実技試験はテイスティングで、60分の制限時間内で日本酒4種類のテイスティングを行い、それぞれの違いや個性を表現します。最後の第4次試験では日本酒のサービスに関する知識や季節別の提案が問われ、制限時間は40分です。筆記試験は選択問題と記述式に分かれているのが特徴です。マークシート方式ではありませんので、利酒に関する知識や自分の考えをしっかり文章としてまとめて記入する必要があります。


国際唎酒師の試験はきき酒師より種類が少なく第1次から第3次までとなっています。試験問題の内容はきき酒師の試験と変わりませんが、受験は日本語以外の5ヶ国語のいずれかを選択すること、第3次試験のテイスティングで利酒をする日本酒は2種類のみです。

 

日本酒をテイスティングしたあとアルコール度数や粘度などを5段階評価し、味・香りを単語で表現します。国際唎酒師は日本語以外の言語で受験しますが、きき酒師と同じく日本酒に対する正しい知識が語学力よりも重視されているようです。

 

まとめ

 

今回は、きき酒師について徹底解説!どうやったらなれるの?というテーマで資格試験の内容などに触れました。

 

取得することは簡単だと思いましたか?利酒師になるには一定の努力はもちろ必要ですが、一番肝心なのは利酒師になった後です。日本酒を提案するには利酒師の知識を元にいかに多くの経験を重ねていくかです。

 

興味のある資格があったらぜひ受けてみてくださいね。

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