はじめに
色々な日本酒を挑戦してきて、美味しい日本酒について知識が増えてくると、どんな蔵元が日本酒を醸しているのか気になりますよね。
そこで今回は、日本酒の蔵元について徹底解説というテーマで記事を書きました。
日本酒の蔵元とは
日本酒の蔵元とは、日本酒を製造する酒蔵の経営元のことです。日本酒は、現在とは製造方法などは異なりますが、一番最初を辿ると神社内で造られていました。そして、製造場所は徐々に酒蔵と呼ばれる蔵で醸造されるようになります。蔵元は、このような酒蔵のオーナーとして日本酒造りを行います。蔵元という組織があるのは、日本酒ばかりではありません。日本の伝統的な調味料である味噌や醤油も、日本酒と同様に蔵元を中心にして製造がおこなわれてきた歴史があります。日本酒の蔵元は、全国の各地域に見られます。このような蔵元では、その地域で収穫した米、湧水などを使った地酒が製造されていることが多く、人気がある銘柄は日本酒の愛好家からも人気です。
蔵元が販売する日本酒は、風味に個性があるのが特徴です。酒蔵で日本酒を造るときには、代々受け継がれてきた麹菌や酵母菌など用いる蔵や、代替わりを機に自分の蔵に最適な菌を探し直したり、自分の蔵に合うパターンを模索することもあります。そのため、仕上がったお酒にもその蔵元ならではの個性が現れます。伝統的な醸造方法を守り続けている蔵元や、最新技術との組み合わせで進化させる蔵など、日本酒の味にはバリエーションがあります。
蔵元同士の交流もあり、山川光男さんとのコラボ商品を製造したり、NEXT5と呼ばれる秋田県の蔵元同士が協力して醸した日本酒があるのも特徴的です。このように、蔵元について調べると新しい日本酒との出会いにも繋がるので、ぜひまずはご自身の出身地で日本酒を探し親近感を沸かせながら、他の地域の日本酒を探してみるのもいいでしょう。地域ごとにどのような日本酒を目指して造っているかなど、様々な個性があるのでみていて楽しいですよ。
日本酒の蔵元の数は?
国税庁が発表している2016年のデータによると、日本では1,400以上の企業が清酒の製造をおこなっています。このような企業は、事業の規模や営業の形態によって、蔵元、酒造メーカーなどの名前で呼ばれています。株式会社を始めとして有限会社、合名会社など様々な形態で酒造りを行います。
蔵元の数は、地域によっても大きく異なります。全国的で蔵元の数が多いのは、新潟県です。2016年の時点で新潟県には80以上の蔵元があり、それぞれの酒蔵で個性豊かな日本酒が製造されています。
長野県や兵庫県、福島県なども、蔵元の数が多い都道府県です。2016年には、長野県に70以上、兵庫県と福島県には60以上の蔵元が存在しています。日本酒の蔵元は、米どころや良質な水が確保しやすい場所に集まる傾向があるかもしれません。日本酒造りに適している条件が揃っている地域ほど、蔵元の数も多くなるのでしょう。
ただ、近年はお酒の多様化や、若者の酒離れなどお酒の消費などが多様化していることもあり、日本酒の酒蔵の数は年々減少傾向にあり、実際に経営している酒蔵は、1,100蔵程度ではないかとも言われています。
お酒は、日本に古くからある伝統産業なので、ぜひまずは地域の酒蔵に目を向けて、美味しい日本酒がないか探してみてください。蔵元のある地域の食材と合わせるだけで思いを馳せて心が豊かになり、美味しく日本酒を楽しむことができますよ。
日本酒の蔵元は見学できる?
蔵元がおこなっている日本酒造りは、時期によって見学ができる場合があります。全国の蔵元では折に触れて見学会などのイベントを開催しており、旅行のついでに日本酒造りの工程を見る観光客の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本酒造りには、真冬に仕込み作業をおこなう寒造りと時期を問わずに仕込みをおこなう四季醸造があります。その蔵元がどのようなスタイルで日本酒を造っているかによって、見学会の開催時期などは少し変わるでしょう。見学会と試飲会が同時におこなわれる企画の場合は、その年の新酒ができる時期に合わせてイベントが開催されるケースもあります。
日本酒造りのプロセスをじっくりと堪能できるのは、仕込みの時期です。このような時期には、日本酒の原料となる米を仕込むところから見学ができます。ちなみに、酒蔵の見学の際には、蔵元から減額時のポイントを促されることがあります。「ヨーグルト、納豆などを食べて入室しないこと」、「体調が悪いときは見学を避けること」などは、酒蔵見学の注意点のひとつです。日本酒を造っている時期は、蔵元さんも忙しい時期になりますが、シーズンの造り始めや終わりかけはご対応いただけることが多い印象です。
日本酒の蔵元の通販はお得?
日本酒の蔵元では、公式ホームページなどを通じて自社製品の通販をおこなっているケースもあります。通販を利用するメリットは、その蔵元のいろいろな銘柄の日本酒と出会えることです。小売店などの一般のお店の場合、蔵元の一部の銘柄しか扱っていない場合がほとんどだからです。
蔵元の公式ホームページの場合は、銘柄のラインアップがひと通りチェックできるのはもちろん、限定商品の予約注文ができるケースもあります。複数銘柄の日本酒を一度に試せるお得なセットや、お買い得なセール品などが販売されるケースもあるため、通販を利用するメリットは大きいでしょう。
一つひとつの銘柄の味わいが事前にチェックできることがあるのも、通販を利用するメリットです。蔵元では、公式ホームページを通じて自社製品の詳しい紹介を行うことがあります。相性がよい料理やおすすめの飲み方などをチェックしておけば、日本酒をより楽しむことができるでしょう。また、ネット販売は行っていないけれども、電話のみ注文を受け付けている場合は、欲しい商品があれば直接酒蔵さんに電話してみるのもよいでしょう。ただ、仕込みの時期などは酒蔵さんも忙しい時期になりますので、最悪出られないことも考えておいた方がよさそうです。
日本酒の蔵元は求人している?
蔵元の酒蔵で働いている人は、リーダーの杜氏を中心にしてチームで作業にあたります。このような杜氏のもとで働くスタッフは、一般的に蔵人(くらびと)と呼ばれています。日本酒造りは、専門的な技術が求められる仕事です。杜氏はもちろんですが、分担して作業をおこなう蔵人も、日本酒造りのノウハウをしっかりと身につけることが必要になってきます。蔵元の仕事は、未経験者でもチャレンジできる場合があります。欠員などがでた際に求人をだす蔵元も中にはあるため、タイミングがよければ日本酒造りが初めてでも応募できるかもしれませんね。経験よりもやる気、熱意を大切にしている蔵元もいます。こういった求人は酒造りと片付けが一通り落ち着いた夏以降から冬前まで募集がかかることが多いです。ちょうどお米の稲かりが終わると日本酒を造りはじめます。酒蔵のHPやTwitterなどのSNSで募集がかけられるはずなので、興味のある方は定期的にチェックしてみるといいでしょう。
ちなみに、こういった求人に応募をして入社した場合、最初から重要な仕事を任せてもらえるケースは少ないです。日本酒造りでは効率化、機械化を進めている蔵ではある程度の作業を担えることもありますが、細かい手作業などは先輩の技を見て覚えることが重視されるため、入社したばかりの時期から任される可能性は少ないでしょう。実際に業務に携わって仕事の経験を積むことが、蔵元の仕事では重要視されています。
まとめ
今回は、日本酒の蔵元というテーマで、蔵元の定義や蔵元の数、蔵人への応募方法、見学方法、通販で購入する方法などについて書きました。
ぜひ蔵元について興味がわいたときは、もう一度こちらの記事を参考にしてみてくださいね。