06. 軽快ですっきり飲める日本酒が好きなあなたへ

前回から始まった、美味しいと思う日本酒の味を分解してみよう!

第一回は、「フルーティー」なお酒についてでした。

今回は「軽快スッキリタイプ」の日本酒に迫ってみましょう!

こんにちは!

楽しい日本酒講座、第6回を迎えました!

前回は「美味しいと思う日本酒の味を分解してみよう!」の1つめ、「フルーティーなお酒」についてでした。

香りが華やかで甘味や旨味が主体となることが多いため、合わせる料理もわかりやすかったと思います。

今回は淡麗辛口。

ではなく、辛口という言葉を使いたくないので「軽快でスッキリ」。

このタイプに分類されるお酒の共通点は以下の3点が挙げられます。

・酵母の発酵力が一定備えている

・加水が多いことが多い

・キレが強い

こういったタイプの日本酒を思い浮かべようとすると新潟のお酒というイメージを持つ方が多いと思います。しかし現在の新潟のお酒は淡麗辛口ではなく「新潟淡麗」に県としてコンセプトを変えているのでそうとも言い切れません。このあたりは後の回で後述しますね。

前回から代表的な4つのタイプの味わいの日本酒を取り上げますが、次の項目について紹介していきます。

基本的な構成

  • 香りと味わい
  • 適切な温度帯
  • 食べ合わせ

[科学的/経験論]な根拠

  • なぜこのような香りになるのか
  • なぜこの味わいになるのか
  • なぜこの料理と合わせるのか
  • なぜこの温度で飲むと更に美味しいのか

上記の項目を取り上げるのは、日本酒の発酵経路から考察できる化学的な根拠を示すことで、本質からそのお酒を理解できるようになるからです。

今回は軽快スッキリなお酒について。香りから紹介していきましょう!

【香り】落ち着きながらも存在感のある香り

香りは全体的に穏やかで量も少ないです。

その理由は2つあります。

①穏やかなリンゴや柑橘類などの果実類

フルーティーなタイプのお酒には、香りがよく出る酵母を使っていたのではっきりと感じることができました。このタイプのお酒は平均的な香りの出る酵母を使用していることが多いためフルーティーな香りは穏やかな分、柑橘系の香りを感じることがあります。

②爽やかさを見出すサワークリームやヨーグルトなどの乳製品

乳製品の香りを感じる要因は大きく2つあります。

1つはお酒の酸度が高いため。2つめは加水を行ったためです。

軽快スッキリタイプでは、後者の理由が当てはまります。水を加えると甘味は薄まりますが、酸味は加える水の量に左右されないのです。甘味が減った分、酸味を多く感じ、それを柑橘系の香りとして感じています。

【味わい】残糖感のなし!!

甘みや旨味の成分を残さないことが多く、しっかり発酵させて加水で甘味を薄め濾過を行います。お酒の味わい自体を淡麗に、かつキレを出していくことが多いようです。

甘味を残さないためにはたくさん発酵させる必要があります。

酵母はブドウ糖を栄養としてアルコールを出すため、ブドウ糖を沢山食べさせなければいけません。そのため食欲旺盛(発酵力が強い)な酵母を使うことが多くなっています。

発酵力が強い酵母の一例としては、9号/7号/11号などです。

こうして酵母が頑張って発酵した結果、アルコールが18%以上出ることはよくあるので、皆さんの元に届くまでにアルコールを調整します。

水を加えて調整することを「加水」と言い、加水を行うと甘味が薄まります。この調整を行うことで相対的に酸味を感じやすくしています。

【温度帯】冷蔵庫でも常温でもいけちゃう優等生

元からスッキリとした味わいで楽しむお酒なので、温度を常温まで上げてしまうと甘味を感じやすくなってしまいます。人間は「甘味・旨味」を本能的に良い印象を持ちやすいので悪いことではありません。味わっていく中で甘味を多くしたい方は常温保管、キュッと締めて飲みたい方は冷蔵庫から出したての温度で飲むと良いでしょう。

【食べ合わせ】素材の味が強いもの、油脂分OK!

このタイプのお酒の特徴は、「甘味の少なさ・酸味が立ちやすい・キレが強い」ことです。

この味わいのお酒に合わせていくべき食事は、「淡麗に感じられる味付け・強すぎない甘味・酸味を感じづらい」ものが良いでしょう。

キレが強いということは飲み込んだ後に口の中がスッキリとするということなので、油脂感を感じる食事でも良いと思います。

例えば、お刺身や季節野菜を用いた前菜、油脂感の強いメインディッシュでも口中の油分を切らすという目的で楽しむのも良いと思います!

まとめ

軽快ですっきり飲めるタイプに関して、次回飲む時からは美味しくいただけそうでしょうか?

簡単にまとめると、

- 香りは全体的に穏やか

- お酒中のブドウ糖があまり存在していないことがすっきりにつながる

- 味わいが濃すぎなければ、幅広い料理に合わせやすい

- 基本的には冷酒がおすすめ。比較的幅広い温度で楽しむことが出来る

でした。

今回は淡麗なお酒についての紹介だったので次回は濃醇な味わいについて。

「楽しい日本酒講座・全12回」の目次

あなたの常識をぶった切る、日本酒の本当のはなし。

  1. バイオテクノロジーの芸術、あまり語られることのない日本酒の原料について
  2. 脱「辛口のお酒ください」のススメ
  3. 「大吟醸美味しいよね。」そんなあなた、損してます。
  4. 「純米しか飲まないから。」絶対秘密、おいしい本醸造教えます。

「美味しい」と感じる、日本酒の味を分解してみよう。

  1. フルーティな日本酒が好きなあなたへ
  2. 軽快な日本酒が好きなあなたへ (←イマココ)
  3. 米の旨味がはっきりしている日本酒が好きなあなたへ
  4. 濃厚な熟成酒が好きなあなたへ

ようこそ、日本酒のディープな世界へ!初心者卒業までの最後の一歩。

  1. より食事を美味しく。マリアージュの世界へようこそ。
  2. 99.9%美味しい?!酒米の王様「山田錦」って何?
  3. 新潟に「淡麗辛口」が多いワケ。知ると日本酒がたのしくなる!
  4. 今さら聞けない、酵母や麹の本当のはなし。 (12.08 公開予定)
saketaku編集部

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