特別純米酒について徹底解説!飲み方は?どうやって作るの?

特別純米酒について徹底解説!飲み方は?どうやって作るの?

 

特別純米酒とは?

 

「特別純米酒」は純米酒や大吟醸酒なども含めた特定名称酒のひとつです。日本酒は、「普通酒(一般酒)」と「特定名称酒」の大きく2つに分けられていて、特定名称酒に属さない日本酒を「普通酒」といいます。対して、特定名称酒は日本酒のなかで一定の条件を満たしたお酒です。

 

特定名称酒として特別純米酒に定められている具体的な条件には、たとえば、「精米の歩合が60パーセント以下」あるいは「特別な方法によって醸造されている」ことが挙げられます。特別な方法がどのような内容であるかは商品ごとに異なっていて、製造元である酒蔵は各商品の醸造方法についてどのような特徴があるかをラベルに明記することが義務です。


最低限の条件は特別純米酒も含む、特定名称酒の定義と変わりません。例えば、こうじ米における条件として、「使用している歩合が15パーセント以上」であることも挙げられています。

 

さらに、風味の要件として、香りや味わい、色つやが良いものであることも挙げられています。加えて、特別純米酒は原料に醸造アルコールが使われていなくて、お米由来の旨味を感じやすい銘柄が多いことが特徴です。

 

特別純米酒の飲み方

 

日本酒は自分の好みに合わせてさまざまな飲み方で楽しめるお酒です。ただし、種類によって、それぞれの特徴を生かした飲み方があります。日本酒の飲み方は主に冷酒(れいしゅ)、冷や酒(ひやざけ)、燗酒(かんざけ)の3種類があり、冷酒は冷やした状態で飲む方法です。冷蔵庫に保管して温度を下げておき、グラスに注いでキンキンに冷やして飲むか、飲むときに氷を入れてオン・ザ・ロックで楽しんだりします。

 

また、冷や酒とは常温で飲む方法をいい、燗酒とは約30~55度で温めて飲む楽しみ方です。温めて飲む方法には、約35度の人肌燗や約40度のぬる燗、約50度の熱燗、約55度の飛び切り燗などもあります。


このうち、特別純米酒を飲むのにおすすめの方法が「冷酒、冷や酒」です。特に冷や酒は指す室温とは必ずしもそのときの部屋の温度を示すわけではなく、約15~25度が適温です。そのため、夏などの暑い環境であれば少し冷やしたり、冬などの寒い環境であれば少し温めたりする必要があります。温度調整をすることで、暑いときには少しひんやりと、寒い時には程よく温かみを感じて飲むことが可能です。

 

また、冷や酒は冷酒で飲むよりもお酒の香りを感じやすいという特徴があります。特別純米酒は米の旨味を生かして作られた日本酒です。そのため、さまざまな飲み方のうち、お酒が本来持ち味わいを最も感じやすい「冷や酒」で飲むと特別純米酒の味わいをしっかりと味わうことができます。

 

 

特別純米酒の作り方

 

特別純米酒の条件のひとつである「特別な醸造方法」は商品ごとにさまざまであることを先で紹介しました。同じ特別純米酒でも商品によって醸造方法に違いが見られるのは、「特別な醸造方法」に対する明確な基準がなく、判断を蔵元や酒造メーカーなどに任せているからです。


製造元ごとに工夫を持たせている特別な醸造方法には、たとえば、低温で長期発酵する製法があります。低温で長期発酵する方法とは、アルコール発酵を行う過程で、もろみを長期的に低温管理する手段です。

 

もろみとは米や米こうじなどをタンクに保管し、発酵させたときのとろみのある液体を指します。もろみを濾したものが日本酒の原酒です。


他には、特別な製法には、袋に入れたもろみを「木槽(きぶね)」と呼ばれる木製の箱を用いて搾る方法もあります。新酒を搾る際に行われる、今では珍しくなってきた手間と時間のかかる製法です。そのほか、原料に特別なものを使っている場合にも、特別な製法として認められることがあります。たとえば、農薬や化学肥料などをできる限り使用せずに作った米を原料としているケースなどです。このように、特別純米酒の製法はさまざまとなっているため、各商品の特別なポイントの違いを楽しむのも特別純米酒を楽しむ方法のひとつとなっています。

 

特別純米酒と特別本醸造酒は何が違うの?

 

特別純米酒と同じように「特別」と名が付いているもので、特別名称酒としての精米歩合や香り、風味の条件が同じものに「特別本醸造酒」があります。特別純米酒も特別本醸造酒も、ともに「特別な製造方法により作られたもの」あるいは「精米が含まれている歩合が60パーセント以下」の40パーセント以上をお米で造った日本酒です。また、香味などに関する要件として、香りや味、色つやなどの良さも共通の特徴として挙げられています。


このような条件を見ると、特別純米酒と特別本醸造酒の違いを感じにくいこともあるでしょう。しかし、そもそも特別純米酒と特別本醸造酒では原料に違いがあります。特別純米酒はアルコールが入っていない、米と米こうじ、水だけを原料にして作られた純米酒です。対して、特別本醸造酒は米と米こうじ、水以外に醸造アルコールも使用して作られた本醸造酒の種類に含まれます。

 

また、アルコールの使用の有無が異なることから、実際に口に含んだ際の味わいにも違いが感じられます。特別純米酒は醸造アルコール未使用のため、純米酒に感じやすいコクや重厚感を持っている点が特徴です。一方、特別本醸造酒は醸造アルコールが含まれているので、軽い飲み口でスッキリとした味わいを楽しめます。原料に違いがあるものの、日本酒としてどちらか一方が特別に良質であるわけではありません。どちらが良いかはあくまでも個人の好みです。

 

特定名称酒とは?特別純米酒は何に当てはまるの?

 

特定名称酒とは、日本酒の原料となる白米の精米歩合や醸造アルコールを使用している割合などの一定条件を満たしている日本酒のことです。日本酒は基本的に米と水を原料としていますが、なかには醸造アルコールを使用しているものもあります。

 

そのため、特別名称酒は醸造アルコールの使用の有無により、「純米酒」と「本醸造酒」の大きく2種類に分類されていて、特別純米酒は純米酒の一種です。純米酒は、醸造アルコールが使用されていないお米と米こうじだけで作られたものを指します。一方、米と米こうじのほかに醸造アルコールも使われているものが本醸造酒です。


そして、さらに、純米酒と本醸造酒も、製造方法や精米歩合、香り、風味などによって、それぞれ4種類ずつ、全部で8種類に分類されています。純米酒は「特別純米酒」「純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」の4種類、本醸造酒は、「大吟醸酒」「吟醸酒」「特別本醸造酒」「本醸造酒」の4種類です。

 

8種類のいずれも、米こうじを使用している割合は15パーセント以上となっていますが、精米の歩合や、香り、風味などには違いがあります。たとえば、特別純米酒は、「特別な製造方法」であるほかに「精米歩合が60パーセント以下」であることが条件として挙げられていますが、同じ純米酒でも純米大吟醸酒の条件として挙げられている精米歩合は「50パーセント以下」です。様々に書いてしまいましたが、複雑ですので覚えなくても大丈夫です!

 

まとめ

今回は、特別純米酒について徹底解説!飲み方は?どうやって作るの?というテーマで、特別本醸造との違いや作り方などに触れました。

日本酒は製造方法や酒蔵の個性が反映されやすいお酒です。造り手の技術をラベルから存分に感じ取ってお愉しみ下さい。

 

ぜひ一度飲みながら、再度読んでみてくださいね。

 

/* custom-footer */