純米吟醸酒について徹底解説!精米歩合は?おすすめの飲み方は?

純米吟醸酒について徹底解説!精米歩合は?おすすめの飲み方は?

 

 

醸造酒とは

 

純米吟醸酒は、醸造酒というジャンルに属しています。醸造酒は、何かしらの糖分を原料として、ブドウ糖まで分解されます。ブドウ糖を餌にする酵母が発酵することによって造られる酒類です。一般的に醸造酒というと日本酒がイメージされやすいのですが、ワインやビールなども醸造酒の一種に分類されます。日本酒の原料は米ですが、ワインはぶどう、ビールは麦を原料として作られており、これらはいずれも発酵の元になる糖分に当たるのです。


原料である糖分は、発酵によって少しずつアルコールに変わっていきます。糖分全てがアルコールに変わるわけではなく、日本酒の場合はアルコール度数が高くなると、自ら生成したアルコールによって死滅してしまうのです。醸造酒のアルコール度数は蒸留をしないことから他の酒類と比べるとやや低めとなっています。ウォッカや泡盛のように度数が50度を超えるようなものはなく、高くても20度までのものがほとんどなのです。


醸造酒は、その作り方によって単発酵酒、単行複発酵酒、並行複発酵酒の3種類に分けられます。

 

-単発酵酒

 

単発酵酒は、始めからブドウ糖が含まれる果実などを原料として使います。発酵させるために酵母の他に糖分を加える必要がないものです。

 

-単行複発酵酒

 

単行複発酵酒は、澱粉を糖分に変換する工程を経た上で、酵母を加えて発酵させるものです。

 

-並行複発酵酒

 

並行複発酵酒は原料に糖分が含まれないため、澱粉を糖化させる工程と、酵母を加えてアルコール化させる発酵工程を同時並行で行うもので、日本酒がこれに該当します。

 

 精米歩合とは

 

日本酒の味を決める要素の一つに精米歩合があります。日本酒の原料となる米は、玄米を精米することによって作られるのですが、その際に玄米からどの程度の米が残るのかという割合を示す数値が精米歩合です。

 

例えば、100グラムの玄米を精米し、後に残った米が60グラムである場合、精米歩合は60パーセントになります。なお、精米によって削り取られた部分の比率を示す言葉として精白率というものがあります。精米歩合と精白率を足し合わせると100パーセントになるため、先程の例の場合の精白率は40パーセントになります。


我々が普段口にしている白米の精米歩合はかなり高く、そのほとんどが90パーセントを超えるものばかりです。これに対して、日本酒の原料となる米の精米歩合は60〜70パーセント前後が一般的であると言われています。

 

ここまで米を磨くのは、米の表層部分にタンパク質や脂質などの成分が多く含まれているからです。タンパク質などは味わいに厚みを持たせる役割を果たすことが多いため、スッキリした日本酒を作るために、玄米を精米によって削ぎ落としているというわけです。日本酒の醸造において、米の精米の仕方が重要であるかが分かるでしょう。

 

ただし、精米歩合の低い米を使って造られた日本酒が必ずしも良いとは限りません。原料だけでクオリティが決まるわけではないのが、日本酒造りの奥深いところなのです。

 

味の違いについて

 

精米歩合が60パーセント以下の米を使って醸造された日本酒を、吟醸酒と呼ぶことができます。精米歩合70パーセント以上の日本酒と比べると、精米歩合が低いため繊細な味わいになり、香りは果実のようなフルーティーな香りと、口当たりもなめらかな銘柄が多いのが特徴です。

 

また、精米歩合が50パーセント以下の米を原料とする日本酒は、大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)と呼ぶことができます。大吟醸酒も吟醸酒の一つであることに違いはないのですが、雑味がある玄米の表層をさらに削ぎ落とした米を使って作られるため、その味わいは、吟醸酒とはまた違って、よりクリアで上品なものとなっています。


一方、精米歩合が60パーセント以上の米から作られる日本酒が、必ずしも美味しくないというわけではありません。米の外側に多く存在するタンパク質はアミノ酸となり、旨味やコクを感じやすいことに繋がるため、優れた蔵元のなかには敢えて精米歩合が高い米を使った日本酒造りにこだわっているところもあるほどです。

 

そのようにして作られる日本酒は、味わいがしっかりしている銘柄もあるため、イタリアンやフレンチなどの洋食と合わせても、美味しく飲むことができるでしょう。

日本酒は並行複発酵というシステムによって、幅広い味わいを作ることに成功しているのです。

 

純米吟醸酒の飲み方

 

日本酒は飲み方によって、その味の違いを楽しむことができるお酒です。特に、味わいが淡麗で香りが華やかな純米吟醸酒は、飲み方次第で味わいが大きく異なってきます。

 

クリアな味わいを存分に堪能したい場合には、冷酒にして飲むのがおすすめです。冷酒といってもあまりに冷やし過ぎてしまうと、せっかくの香りを感じられなくなってしまいますので、できれば7度から10度くらいに冷やして飲むのが良いでしょう。


どうせなら香りも楽しみたいというのであれば、10度から15度くらいに冷やして飲むという方法もあります。こちらの飲み方は冷やと呼ばれて、冷酒とは区別されていますので、混同しないように注意しなければなりません。なお、冷酒や冷やにすると、アルコール特有の香りを感じにくくなるため、あまりお酒が得意ではないという方にも適した飲み方といえます。


次に、純米吟醸酒を飲む際には、何を使って飲むかにもこだわるべきです。冷酒であれば、クリアな味わいをより引き立てられる、ガラス製のグラスが一押しです。陶器などの器でも美味しくいただくことができます。その時の気分に応じてお酒も器も変えられると、楽しみ方の幅も広がりそうですね。

 

一方で精米歩合70パーセントなどの常温でも美味しくいただける純米酒などは、陶器製のお猪口や枡などを使い、ふくよかな味を楽しむこともできます。

 

純米吟醸ってなに?読み方

 

吟醸酒と同じく読み間違えられることが多い言葉の一つに純米吟醸がありますが、その正しい読み方は、「じゅんまいぎんじょう」です。この純米吟醸というのは、精米歩合が60パーセント以下の米と麹、水だけを使って作られる日本酒を意味し、その醸造方法は大吟醸などと同様、吟醸造りと呼ばれる造り方となっています。

 

吟醸造りでは、室温が10度前後に保たれた場所で25〜40日ほどかけて原料の米を発酵させていきます。発酵中の品温も10度以下になるべく抑えることで、吟醸香といわれるフルーティーな香りがより一層醸し出されるようになるのです。


純米吟醸の中でも、特に精米歩合の低い米(具体的には50パーセント以下)を使って作られる日本酒は、純米大吟醸と呼ばれます。

 

より華やかな吟醸香を楽しみたいのであれば純米大吟醸がおすすめですが、吟醸香に加えて芳醇な味わいも同時に味わいたいということであれば、むしろ純米吟醸をチョイスした方がよいかもしれません。

 

このように、純米吟醸と純米大吟醸はどちらが優れているというわけではなく、その時々の気分やTPOに合わせてどちらを選ぶか検討すればよいのです。

 

その場の雰囲気に合うお酒を選べるというのは、大人の嗜みの一つですので、自分磨きをするためにも、純米吟醸と純米大吟醸の違いを、頭に入れておくと良いかもしれません。

 

まとめ

今回は、 純米吟醸酒について徹底解説!精米歩合は?おすすめの飲み方は?というテーマで、大吟醸との違いなどに触れました。

 

ぜひもう一度飲みながら、読んでみてくださいね。

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