日本酒と氷の関係について徹底解説!氷温とは?氷点は?

日本酒と氷の関係について徹底解説!氷温とは?氷点は?

 

 

今回は「氷」をテーマに、日本酒と関連する「氷」が入っている単語を探し、日本酒の奥深さについて説明していきたいと思います。

 

日本酒の氷温とは

 

日本酒について調べていると氷温という温度を目にすることがあります。もう少し具体的にすると、氷温貯蔵や氷温熟成と書かれている単語のようです。貯蔵や熟成を氷温で行ったということはわかっても、一体どのくらいの温度なのかが気になる人もいるでしょう。

氷温の一般的な定義はものが凍り始める手前の温度です。日本酒の氷温の意味も同様に、日本酒の温度を下げたときに凍り始める直前の温度のことを指します。例えば、純粋な水の氷点は0度と知られていて、氷点よりも温度を低くすればスムーズに水が凍っていきます。この場合の氷温貯蔵や氷温熟成の温度は0度よりやや高い1度~4度程度というのが通例です。一般的に氷温という言葉を使うときには凍らせない状態にすることを指すので、氷点よりは少し高い温度に設定します。


日本酒の場合について考えてみると、水が凍り始めるのは0度だから日本酒の氷温もまた少し高い1度~3度ではないかと思うかもしれません。しかし、実際にはアルコールが入っていることで日本酒の氷点は0度よりも低くなっています。アルコール度数が15度くらいはあるので大きく氷点が低下しているのです。一般的な日本酒の氷温は0度~マイナス3度が用いられています。家庭用の冷蔵庫ではチルドルームがこのくらいの温度にできる場合がありますが、高機能な冷蔵庫でないと安定して日本酒の氷温を保つのは困難でしょう。

 

日本酒の氷点

 

日本酒の氷温は0度~マイナス3度ということがわかっても、うっかり低くなりすぎてしまって日本酒が凍ってしまったらトラブルが起こり得るでしょう。氷点がいくつなのかを具体的に知っておくのは大切です。氷点は実際には水の中に溶けている糖質などの他の成分による影響を受けるのが特徴で、溶けているものが多いほど氷点が下がります。アルコールだけに依存するわけではありませんが、寄与の大きさを考えるとアルコールがかなり大きい割合を占めています。アルコール濃度と凝固点に関する実験的な研究は昔からよく行われているので、それを参考にしてみると日本酒の氷点がどのくらいかを見積もることが可能です。


日本酒のアルコール度数は高い原酒で20度くらい、加水をして調整したもので一般的には15度くらい、低アルコールのもので6〜10度くらいです。家庭用の冷凍庫はマイナス18度程度ですので日本酒は凍ってしまいますが、チルドルームはマイナス2度程度なので凍ることはありません。先ほどの日本酒の氷温として挙げた0度~マイナス3度も部分的に温度が下がってしまうようなトラブルを加味して安全を考慮した数値になっているとわかります。実際には冷気の吹き出し口などではもう少し低くなることがあるので無難な温度設定だと言えるでしょう。

 

日本酒の氷温貯蔵とは?

 

日本酒では氷温貯蔵を行う文化がかなり昔からありました。現在では冷蔵設備を使用することによって温度管理ができる状態で氷温で貯蔵していますが、昔は氷室を作って氷ができる温度と同じくらいに保ち、日本酒の氷温貯蔵に適した温度にコントロールしていました。そのような冷蔵技術が発達していない時代に、多大な労力をかけて氷温貯蔵をしているのには理由があります。氷温貯蔵をすることによって日本酒の熟成が緩やかに、丁寧に進み、味わいの角が取れて穏やかな印象に変化するのが一般的なのです。氷温で維持しておくことで吟醸香を代表とする日本酒のフルーティーな香りはそのままに、ゆっくりと熟成が進んで旨味が豊かに、よりまろやかな味わいに徐々に変化していくのです。


見た目にはあまり大きな変化がない日本酒も多いですが、黄色味がかってとろみがついてくる場合もあります。熟成期間が長いほどこのような変化が起こりやすく、また火入れをせずに生貯蔵をした場合にも色やとろみがつきやすいのが一般的です。氷温貯蔵は年単位でじっくりと時間をかけて熟成させるのが目的なので、火入れをしていない生原酒を貯蔵することも多くあります。または加水をして瓶詰まで終わらせた段階で、火入れをせずに貯蔵をすることもあります。何年もかけて熟成を進めることにより長期氷温熟成と銘打っている日本酒もあり、長い年月をかけて造られた味わいは、希少価値の高い銘柄も少なくありません。

 

日本酒の氷割りとは?

 

日本酒はストレートで飲むものと思い込んでいる方が殆どでしょう。しかし、焼酎などと同じでロックで飲むと美味しい日本酒もたくさんあります。特に夏の暑い日にはしっかりと冷えた日本酒をゆっくりと飲みたいと思うこともあるでしょう。日本酒ロックは温度を下げることによって香りを穏やかに感じられるように変化させ、甘さも抑えられます。そのため、常温や熱燗などで飲んでいるのに比べてまた違う美味しさを見せてくれるのも魅力です。日本酒をロックで飲むときにはグラスなどの酒器を予め冷やしておき、日本酒自体も冷蔵庫に入れておきましょう。日本酒を常温に置いておき、氷を入れると氷が溶けやすく、味の変化が起こりやすくなります。


ゆっくりと氷が溶けていくようにするためには、大きめの氷を作って一個だけ浮かべるのが良い方法です。また、氷を作るときには軟水の天然水や、RO水などのように混ぜても味が変わりにくい水を使うのがおすすめです。水道水を使うときには煮沸して塩素を抜いてから氷を作りましょう。

 

氷割りができる日本酒は、全ての銘柄です。特にオススメしたいのは味の濃いお酒。低アルコールの甘味が強い日本酒や、生原酒や原酒。甘味が強い日本酒は甘味が丁度良い濃さとなり、原酒はアルコール度数が高くて加水をしていないので、氷が溶けていく過程でちょうど良い濃さになっていきます。また、夏酒として生産されている酸味が強めのお酒もロックに向いています。冷たい方が酸味が程よく感じられるようになるからです。

 

日本酒で梅酒をつくるのは酒税法違反!

日本酒を使って仕込むと美味しい、と聞いたことはありませんか?違反ですので、やめましょう。違反にならないための大切なポイントは「アルコール20%以上の蒸留酒」を使う事です。どうしても醸造酒を使いたい場合、国税庁の許可が必要となりますので、遵守しましょう。

糖類、梅の混和が可能で、米や麦、あわなどの穀物、麹、ブドウ糖は不認可となります。飲むことが許されるのは自分自身と同居する家族のみ。余った分のお裾分けとして「譲渡」も禁止ですので気をつけましょう。

 

梅酒のつくりかた

梅の実が収穫される季節になると梅を焼酎やホワイトリカーなどに漬けて梅酒を作る人もいるでしょう。じっくりと漬けることで自家製のおいしい梅酒を作ることができます。

まずは青梅の4倍の容量の密閉容器を用意しましょう。例えば青梅が約1kg、氷砂糖が450g程度あれば、4Lくらいの密閉容器が必要となります。

最初に容器を煮沸消毒するのが効果的ですが、アルコールで消毒しても問題はありません。そして、青梅を洗って水気をキッチンペーパーなどで拭き取ります。洗いながらヘタを取ってしまいましょう。

次に青梅と氷砂糖を交互に瓶の中に敷き詰めるようにして入れていきます。青梅と氷砂糖が接触する部分をできるだけ多くするように心がけましょう。ここにお酒を加えて蓋を閉めれば準備は終わりです。冷暗所に保存しておけばだんだんと漬けこまれておいしい梅酒になります。雑菌が混入すると失敗してしまいますが、アルコール度数が高いのでリスクが低減されます。もし心配であれば冷蔵庫で漬けても構いません。ただ、余計に時間がかかってしまうので注意しましょう。

 

まとめ

 

今回は「氷」というテーマで、氷温貯蔵や氷割り、氷点などに触れました。

 

ぜひ一度飲みながら、再度読んでみてくださいね。

 

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