新潟 二才の醸 とみやま農園 瓶燗の味わいや香りを解説

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総評-柑橘のゼリー寄せのような爽やかな味

香りにバナナを思わせる印象を持ちながら、口に含むとその酸がバナナの香りを和の柑橘の印象に変えます。味わいは爽快感と共にフレッシュ感を感じるため、これから暑くなる時にぴったりなお酒と言えます。

味わい

口にふくんだとき-甘やかなバナナヨーグルト

甘味のボリュームをしっかりと感じ、それと同時に滑らかな旨味が顔を出します。ただ、その後にしっかりとした酸を舌に感じるが故、滑らかさはあまり持続しません。その後、残存する旨味・甘味と口中に広がる香りも含めて適度な締まりを持ったままふわっと広がりを見せる印象になります。

余韻-後味の重厚感が脂を切るイメージ

余韻に繋がっていくにつれ旨味・甘味は落ち着きます。酢酸イソアミルのバナナ香は残しつつ苦味、渋味が顔を出し、全体をぐっと締めています。締まっていく印象は油を切るのに良いでしょう。

温度帯

12〜16度、10度以下だと苦味が気になるかもしれません。この温度帯なら、バランスよく甘味と酸味の個性を愉しむことができるでしょう。

ペアリング

抜栓したては立ち上がる酸に合わせてアジフライなども良いのですが、少し冷蔵庫で保管すると酸味が少し丸くなり、米味が見えてきます。こうなると、同じアジでも、タタキにして食べると楽しいでしょう。薬味はネギでなく、千葉の漁師のように晒した新玉ねぎだと更に楽しいと思います。

特別コラム

コシヒカリ。普段私達が食べるお米を用いて酒造りを行っています。酒造好適米と飯米では、どのような特性の違いがあるのか解説しながら、飯米でお酒を造ることの難しさについて紹介していきましょう。まず第一に飯米の方が米粒が小さいです。粒が小さければ相対的に米中の心白も小さくなりやすく、タンパク質含量が多くなることで味わいに複雑味を含みやすくなります。そのうえ硬質米であれば、精米歩合を低くしようとすると米が割れるため、蔵としてはあまり米を削りたくありません。飯米は心白が元から小さいため、醪の米の溶けやすさにも気を遣わなければなりません。酒造好適米でも飯米でも、それぞれの特性を知った上で目的とする酒質に仕上げていくことに技術力が必要なのは変わりませんね。

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