新潟 宝山 本醸造の味わいや香りを解説

f:id:smrki228:20200905175727j:plain

 

 

総評-この上ない穏やかなバランス

地元の人たちが毎日の晩酌に欠かせないような、穏やかなバランスを保った本醸造です。アルコール添加ながらコク、旨味も程よく感じることができるため、すいすいと杯を重ねてしまうのではないでしょうか。

香り

比較的シンプルで、コンパクトとも言える香りです。乳酸の柔らかな酸味、原料由来の米の香りに、少し落ち着いた印象の麹の香りも見えてきます。精米歩合由来の高級アルコールは、木の実の印象で香りを出しています。

味わい

口にふくんだとき

優しく柔らかな甘味と、量は少なく落ち着きのある旨味、さらに一定量存在する酸味のお陰で導入は柔らかな印象を見せます。酸味と甘味のバランスが取れていますね。味わい自体は優しくても、どこか主張のある味わいです。綺麗な印象といっても差し支えないでしょう。

余韻

若干の苦味を感じるものの、量としては少なめな印象です。むしろ他の突出した味わいが見えないお陰で、優しい苦味が旨味との相乗効果でコクを形成しています。

温度帯

12〜18度辺り、幾分持ち上がった温度帯で一度バランスが取れます。また、抜栓後数日すると、25度や40度くらいのぬる燗領域にて、柔らかさを伴った見せ場が存在します。

ペアリング

優しい味わいのおでん(はんぺん、ちくわなど)や、里芋のにっころがし、昔ながらの優しいダシ+醤油の薄めの味付けに相性を見出せます。これは冷たくても温かくても大丈夫です。また、冷たい状態であればイカゲソを茹でて、山葵醬油でも楽しめるでしょう。

特別コラム

みなさんは本醸造にどんなイメージを持ちますか?アルコール添加をしている・米を削っていない・安酒、などのイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし本醸造がよく出来ている蔵のお酒は、純米吟醸酒などのお酒を飲んでも大概美味しく感じると思います。なぜなら、本醸造は地元の方向けに造っていることがほとんどだからです。地元の方々のお陰で今までお酒造りができている蔵も多いので、その気持ちを地元向けの製品に現す。地元の方々もその製品を愛する。こうして蔵と地元の関係性が構築されていきます。saketakuでは本醸造酒や純米酒などの地元の定番商品もブラインドテイスティングで選定されれば積極的に送らせていただきます。

/* custom-footer */